2020年10月27日
東京オフィス空室率、2010年以来の2期連続上昇
東京オフィス空室率、2010年以来の2期連続上昇
シービーアールイー(株)(CBRE)は26日、2020年第3四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。
東京(23区)のオールグレード空室率は0.9%(前期比0.1ポイント上昇)と10年以来の2期連続上昇となった。リモートワークの定常的な導入によるオフィススペースの見直しやコスト削減を目的に、部分解約の動きが中小規模のビルを中心に増えてきている。その一方で、新規開設や拡張は減少しており、求められる面積帯も小型化している。オールグレード賃料は1坪当たり2万3,270円(同0.9%下落)で2期連続での下落となり、下落率はやや広がっている。
グレードA空室率は0.9%(同0.2ポイント上昇)と2期ぶりの上昇。坪賃料は3万8, 700円(同0.4%下落)と2期連続での下落となった。
大阪は、オールグレード空室率が1.2%(同0.4ポイント上昇)、坪賃料は1万4,710円(同0.1%上昇)となった。グレードA空室率は0.6%(同0.1ポイント上昇)、坪賃料2万6,450円(同0.2%上昇)。コストに敏感な企業が増加したことにより、グレードA賃料は大型供給を控える22年をまたずに下落傾向に転じる可能性があり、向こう1年で0.2%の下落を予想している。
名古屋はオールグレード空室率が1.8%(同0.4ポイント上昇)、坪賃料は1万3,930円(同0.2%上昇)。グレードAは空室率が1.0%(同0.2ポイント下落)、坪賃料2万8,100円(同0.2%下落)だった。一部のビルでは募集賃料を見直す動きが出始めているが、テナントのコスト意識の高まりに加え、オフィス戦略の見直しによる減床などが空室率をさらに押し上げる可能性がある。
地方都市のオールグレードでは、10都市中7都市で空室率が上昇。坪賃料は札幌、仙台、横浜、神戸、福岡の5都市で下落に転じた。